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韓国施設の視察

2024-11-05
この連休で緒方と西﨑,大石,福島,新甫,とぴっこの施設長駒井で韓国蔚山市の児童発達支援事業所を訪問しました.緒方が以前訪問した成人の施設の園長の紹介で訪問しました.日本と大きく違ったのは,建物,設備は全て行政が用意し,管理運営者を公募していること.応募は社会福祉法人でなく個人でもいいこと,そして5年ごとに運営状態を評価され,運営者の交代を命じられることがあるなどでした.評価がAランクであればさらに充実した設備が与えられることはいい制度です.また,職員が休暇で足りなくなると,区から派遣がなされることもいい制度です.日本は職員と子どもの比が1:4ですが,韓国は1:3でした.また預かる時間は朝7時20分~夜は19時30分までと長いのですが,子どもたちはこの間保護者の都合で来たい時間に来て,帰りたい時間に帰るという保育園的でかなりおおらかな利用でした.支援プログラムなどは日本のやり方がモデルとなっていましたが,視覚支援はあまりありませんでした.言語聴覚士が3人いて,一人30分単位で個別の指導をしていました.運動トレーニングの考えが多く取り入れられ,感覚統合の理論に沿った設備が整えられていました.次に隣接した療育センター(カトリック系の施設)にも行き,設備と治療的訓練のことを聴きました.ここも同じで施設そのものは行政が作り,運営を団体等に任せるという制度でした.
いずれも施設長がしっかりした資料で説明をしてくれました.韓国では障害に対する認識が肢体不自由に偏っていて,発達障害に対しては障害という考えが少ないようです.このことは私が福岡で相談支援を行うときもぶつかった問題でした.福岡には韓国の方の在日が多いのですが,こどもの発達障害に理解がなく,福祉制度の利用や特別支援教育についてのなかなか理解していただけませんでした.ですから就学相談の意味が分からないなど言われ,どうしたものかと困っていました.発達障害,発達の遅れは障害には入らず,単に遅れているだけだとの認識です.早期発見,早期療育という概念が普及しない背景には,障害に対する偏見の大きさがあるのかもしれません.来年には釜山の大学病院で講演する予定があり,そのようなことにも触れたいと思っています.文化の違い,価値観の違いはあっても,子どもたちが発達して社会に適応することの大切さは一緒と思います.joyひこばえの職員にとってもいい研修となりました.



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